微妙な点もあるが、wacom製品の信頼性は健在。 液晶ペンタブレット Wacom Cintiq 16 FHD (長期使用レビュー)

趣味でイラストを描いていますがその時に使っているのがwacomのCintiq 16です。

16インチとコンパクトで机に設置しやすく、価格も頑張れば手が届く範囲。→改めて確認すると、値上がりしてました。

イラスト入門者にとって候補になりやすい液晶ペンタブレットになるかと思います。

ただし微妙な点もいくつかあるので、そういった面も含めてレビューしてきたいと思います。

使用期間は約4年、長期使用レビューとなります。

もくじ

Wacom Cintiq 16の利点

  • wacom製品の中では安い(しかし一般認識からすると高額)
  • 16インチでちょうどいいサイズ感
  • 4年の使用でも故障ナシで信頼性〇
  • VESAマウント対応でスタンド取り付け可
  • 発熱はほぼない
  • 付属のペンは2つのカスタムボタン(物理スイッチ)があり、機能割り当てが可能
  • 上位機種と同じペンが使用できる
  • 充電不要のペン

デメリット

  • 中華製品と比べると価格があまりにも高い
  • 10万近い価格なのにFill HD画質(せめてWQHDにしてほしい…)
  • 液晶パネルと筐体の間に隙間がありゴミが溜まる
  • ガラス面と液晶の間に隙間がある(視差がある)
  • 剝がせない液晶フィルムが劣化する→修理代金約2万円
  • 色がくすんで見える(フィルムの影響?)
  • 本体にカスタムボタンがない
  • リフレッシュレートが60HZ
  • ケーブルの端子が独自規格で延長できない

外観

4年が過ぎるのも早い…..

今回レビューするにあたってAmazonページを見てみましたが、新品価格がほぼ10万円になってました。

公式サイトもほぼ同価格。最早エントリー機とは言えない値段…..

6万だったらおすすめできますが、正直このスペックで10万は…ちょっと微妙ですね……

中古品の価格は4年前とほぼ変動していないと思うので、そちらを選択するのも良いかもしれません。

Wacom Cintiq 16 FHD

純正スタンド使用

16インチなのでノートPCが設置できる机ならば、置くことができます。

別売りのスタンドを使えば楽な姿勢で作業に取り組むことができます。(VESA対応のものでも可)

本体にもスタンドがありますが、ちょっと起き上がるぐらいなので首が疲れます。

別途スタンドを使用することをお勧めします。

タッチパネルではないため、誤作動は発生しません。PC環境ならキーボードや片手デバイスを使うと思います。

Wacom Cintiq 16 FHD

画面にはAG処理が施された、取り外しできないフィルムが装着されています。

これがかなりくせ者….

よく見るとわかりますが、表面に無数の傷が入り白化しています。よく使う部分に集中的に発生。

描いていても引っ掛かりを感じます。

そしてこのフィルムは強力に接着されているため取り外し不可。

結局社外品のフィルムを張ることになるわけですが、そうなると2重でフィルムを張ることになります。

いや…取り外しできないフィルムをわざわざ装着しなくても、純正フィルムを個別に販売すればよくないですか?

修理に出させて収益を得ようとしている、と勘ぐってしまいます。

因みに私はフィルムを張らずに使用した結果、このような状態になってしまいました。

修理代金2万円するらしいのでそれが最近の悩み……

これがこの機種最大の問題点です。

Wacom Cintiq 16 FHD

付属のペンは上位機種と同じ型

書き味はリフレッシュレートによる描写遅延を除き、文句なしの出来

オプションでフェルト芯などが用意されているので、自分に合った書き味を追求できます。

この点はさすがワコム製

特殊な技術でディスプレイ面から電力を供給する仕組みを採用。ペンの充電は不要です。

こちらのペンは4年間酷使したので、ボタンが誤作動を起こすようになり不安定になったので現在は使用していません。

Wacom Cintiq 16 FHD

Wacom Cintiq 16 FHD

視差はありますが、使っていると気にならなくなります。無印ipadより少し広いくらいの差があります。

ipad proに慣れている方だと気になるとは思います。ただ慣れの問題だと思うので個人的には割り切って使っています。

因みにipad proも所有していますが、あちらはメニュー操作がしづらいので一切使っていません。

せめてpencilのカスタムボタンが2つあればよかったのですが…

ドライバーの安定性

安心と信頼性のwacomですから、ソフト自体がクラッシュすることはほぼありません。

ただし使い始めたころはペン先がずれるというトラブルがあり、様々な解決策を試しましたが解決しませんでした。なぜかwindows11にアップデートすると治りました。

また、1日に数回プチフリーズします。突然ペンが反応しなくなって、マウスを動かすと治るという現象です。発生タイミングが不規則で原因は不明。

細かいトラブルはありますが、すぐ修正できるので割り切って使っています。

16inch proモデルとどっちがよいか?

proモデルは所有していないので、調べてわかることまでしか書けませんが…

まずproモデルの優位点は視差の少なさ、4K高解像、くらいでしょうか。

デメリットとしては4K表示の場合の発熱、20万近い価格、そして修理費が高額であるということ。

proモデルの高額な修理費

特に注意なのが修理費です。中古価格が意外と安い16 proモデル。ですが液晶部分が壊れると悲惨です。修理費はなんと驚異の約10万円…

中古品を買ってすぐ液晶が壊れたら…..恐ろしいです。

一方本記事で紹介したスタンダードモデルの場合、液晶とガラスが分離されているため比較的良心的な価格になっています。

個人的には16 proモデルを中古で買うくらいなら、スタンダードモデルか中華製品を選ぶ方がリスクは少ないと思います。

まとめ

ライバルの中華製品は着々とスペックを上げ、実用できるレベルになってきています。

そろそろwacomも製品ラインナップを再考するべき時期に来ているのではないでしょうか。

なぜかwacomは無駄な機能を付けて製品を高額化しているように思います。

例えばproモデルの16インチサイズに4K画質の液晶を使っている点が挙げられます。

正直そんな小さいディスプレイサイズで4Kにされても、ペイントソフトのメニュー文字が小さくなり見にくくなることが想像できます。

結局windows側で画質を落として使用することになるので本末転倒だと思うのですが、何か特別な理由があるのでしょうか……。

この製品も性能に対して価格があまりにも高いので、手放しにお勧めできないのが本音です。(6万円がギリ許容範囲….)

(もしかすると中華製品の浸食により数が売れなくなっているのかもしれない…..)

イラスト初心者の方は中古を選択するかリセールバリューが高いipadシリーズを買って、液タブが自分に合っているか確かめるのも良いのかなと感じました。

それでもwacom製品にこだわりがある方やお金がある方であればオススメできます。4年間大きな故障もなく使用できているので、その点はさすが日本メーカーだなと思います。

 

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