使い勝手の良さとfinalらしい、ハイレベルな音質を両立 final A5000レビュー
finalの優れたイヤホンにE5000というモデルがあります。環境を整えれば値段以上の音を奏でてくれる化け物イヤホンです。
しかし鳴らしにくさと音漏れの問題から、室内専用にしていました。
この音を外でも聴くことができたらなぁ・・・・
そこでこのA5000の出番です。
軽量でコンパクトなハウジングで装着感は良好、音漏れも少なくなり外出先での利用がしやすくなりました。
ちなみにfinalは海外企業のように感じる方もいるかもしれませんが、神奈川県川崎に本社がある日本企業です。
もくじ
final A5000のメリット
- 軽量小型で装着感〇
- 柔らかケーブルで耳掛け運用しやすい
- アンバランスでも音の分離感や解像度を感じられる
- 2ピン仕様で接触不良防止
- 圧迫感がない
- 据え置きアンプからDAPまで対応する丁度良い感度
- E5000に似た音質
- 公式サイトで学割が使える
デメリット
- 別売りのバランスケーブルが高額
- 多少音漏れがする
- E5000と比べると音の抜け感などが劣る
- ハウジングがプラスチック
外観
外箱はA5000の方が丁寧な作りです。E5000はペラペラでした。
付属品はおなじみシリコンケースとイヤーピース、ロック機構つきのイヤーハンガー(シリコン製)です。
個人的にシリコンケースは埃が付着しやすく掃除が大変なので、あまり好みではないです。
新品で約3万円となりますが、この価格帯はライバル多数で激戦区。同社のB2というバランスド・アーマチュア(BA型)を採用したイヤホンも悩みどころ。
BA型は駆動しやすく、非力なDAPでも実力を発揮しやすい傾向があります。ただしダイナミックドライバーの方が、上流を整えてあげると化ける傾向があると感じます。
据え置きやポータブルアンプをお持ちの方は、本製品のようなダイナミックドライバー搭載モデルを選ぶと、音の違いを楽しめると思います。
ダクト穴はハウジング部の平面部に設けられています。
E5000と違い音導管に穴がないので、イヤーピースの選択肢は多いと思います。
プラスチック製ですが、カメラにも採用される梨地塗装で高級感を演出。
superiorと比べてもコンパクトな筐体で、プラスチック製のため軽量。
このおかげでハウジング部がすっぽり収まります。
外耳でハウジングを支え、イヤーピースで耳穴を塞ぐという設計です。
そのため音導管は短く設計されています。
遮音性は若干下がりますが、圧迫感の無い軽い装着感が特徴。
なので耳穴が狭くてイヤーピースが入りずらい、圧迫感が苦手でイヤホンを控えていた方にはかなりオススメです。
使いやすいさや快適性を重視した設計となっています。
使用時には大きいサイズのイヤーピースがオススメです。私も普段はSかMサイズですが、今回はLサイズが丁度いいです。
ケーブルは柔らかく、ピン端子根元には断線防止処理がされています。
2ピンタイプですが、溝が彫られており独自仕様。この溝無くてもいいのでは…..
そろそろイヤホン側端子の規格統一もしてほしいなと思います。
触るとまるでラーメンの細麺のよう。
8本?ほどの細い線が器用に編み込みされています。絡みにくさにも貢献していると思います。
E5000のケーブルは針金のようにカチカチでした。
レビュー機種はL字プラグですが、ロットの違いでストレートプラグもあるようです。購入時はご注意ください。
音質(アンバランス接続)
The finalといった音質。
解像感と分離感がありながら、角がまるく整えられて刺さりのない音。
中音域のボリュームが多いですが、低音や高音もしっかり鳴らしきる。
恐らくDAPでアンバランス接続しても、音量自体は問題なくとれると感じます。
E5000と比べても、音量を下げて丁度良いくらいでした。
ただDAP(Ak sr25 mkII)のアンバランスだと出力が微妙なのか、低音域が団子になっているように感じられました。
音のキレもすこしフワッとした印象に。
DAP使用時にはぜひバランス接続で利用したいと感じました。ただケーブルが2万円近くするので相応の覚悟が必要。
最初からバランスケーブルと本体のセットで販売してくれたらいいのに…..
対照的に駆動力がある据え置きアンプにつなぐと、低音域の解像感も音のキレも増します。
E5000ほどの音抜けの良さはありませんが、それ以外はほぼ同レベルで、心地よく聞くことができます。
ボーカルなんかも映えますね。
因みに下位機種にA4000などがありますが、傾向は全く異なります。
試聴したことがありますが、音が細くて刺さりも感じた記憶がありました。
しっかりと値段差分の性能の開きがあります。
まとめ
本機種はダイナミックドライバーを採用しています。そのためDAPのアンバランスだと鳴らしきれていないと感じました。
なのでバランス接続して本領発揮させたいところですが、ケーブルが高すぎる….
数千円程度高くなってもいいのでアンバランスではなく、バランスケーブルのセット販売をしてほしいと思いました。
ゼンハイザーのIE200もその選択肢があるので、需要はあるのでは。
また近年ではトングル型DACによりバランス接続がより身近になっています。
そういった背景も含め、finalさんにはぜひ検討してほしいです。
それ以外は文句のない出来でした。外装がE5000のようにステンレス製だったら、装飾品のように面白味があってよいとは思いますが。
多ドライバー搭載で筐体が巨大化する傾向がある中、圧迫感がなくコンパクトなこの機種は貴重だと思います。