広い音場と中音域のボリュームに圧倒 final E5000イヤホンレビュー
今回は見た目がおしゃれで性能にも定評があるイヤホンfinal E5000を取り上げようと思います。
このイヤホン、絶賛するレビューがある一方で批判的なレビューも目立ちます。
私自身2年くらい使用してきて、なんとなくその理由が分かってきました。
一言で表すと「使用環境によってツンデレする気難しいやつ」という印象。
ですが環境を整えれば化けます。
それでは詳細にいきます。
Final E5000の利点
- アルミ外装で目を引くデザイン
- 環境が整えば、広い音場と中音域のボリュームに圧倒される
- ダイナミック型とは思えない程コンパクトで軽量、耳への負担減
- 3万円台と頑張れば買える価格帯
- 音の抜けがよく、開放感を感じる
- 不思議と密閉感を感じにくい(イヤホンの中で、空気の流れができている?)
デメリット
- 高出力のDAP(デジタルオーディオプレーヤー)やアンプがないと音質が微妙
- 付属のケーブルが硬化する
- 左右の音バランスが狂う個体あり
- 若干音漏れする
- 外装がステンレスなので傷がつきやすい
- 純正ケーブルが高額(2万円ちかい…..)
- 同価格帯の他イヤホンに満足できなくなる…….
外観
デザインは文句ない出来
新品で購入すればピカピカのステンレスの美しさに感動するでしょう。
昔のipod touch 4thを彷彿とさせます。←裏がステンレス製だった
反面2年も使えば傷まみれ。
愛着が沸くと考えればまぁ・・・それに装着中は見えないので、どうでもよくなりますね。
ちなみに最初中古で購入しましたが、右側が不良で小さい音しかでなくなりました。
今使っているのは交換してもらった個体です。
→最近(2025年)また不良に遭遇。今回は公式に連絡し、新品に交換してもらいました。(新品の半額で)
音が良すぎて、手放せない……
ケーブルも本体に合わせてシンプルなもの。線も細くて美しい。
付属のイヤーフックを使えば耳掛け運用も可能
これとほぼ同じ外観のケーブルが販売されていますが、約2万近くの価格…
断線に気を付けて大切に使いましょう……
ちなみに私はロック機構が付いたイヤーフックを使っています。
外れないので紛失のリスクがなくなります。
(こっちを付属品にしてくれ…..)
音質
denon da-310usb 使用
本イヤホンはダイナミックドライバー搭載。
BA型ほどの解像感はありませんが、質量のある中音域と広い音場でコンサート会場を再現している感覚。
音の開放感もあるので、まるでヘッドホンを使っているかのよう。
雰囲気や余韻を楽しむイヤホンと感じます。
基本的にはフラットな傾向ですがモニターイヤホンのような真面目さだけでなく、中音域で曲の盛り上げ部分を強調してくれます。
アニソンも楽しめるイヤホンだと感じました。
低音もバランスよく、気持ちよくリスニングできます。
HIFIMAN EF400使用(アンバランス接続)
このヘッドホンアンプは中音域が得意なため、相性が抜群と感じました。
膨らみのある中音域が耳を幸せしてくれます。
低音も安い重低音マシマシイヤホンのような、圧迫感のある低音とは別物。
楽器が重なって結果的に低音を感じる、といった自然な低音が印象的。
音が潰れないので、背景で鳴る細かい音も聞き取れます。→これが結果的に音場が広く感じる要因かも…
もはやヘッドホンのような音場。
これ以上の音を出せるイヤホンは無いのでは?と錯覚します。
ちなみに音量はヘッドホンで鳴らしにくいといわれている、ATH-R70xと同じ音量でちょうどいいくらい。
THIEAUDIOのHYPE2と比べても、音質なら圧倒的にfinal E5000を選びます。
低評価がある理由
このイヤホンには最初に述べたとおり、使用環境によって音質が激変します。
このコンパクトなデザインをみて多くの人はこう思うのではないでしょうか。
「外で使いやすそう」
これ罠ですね。このイヤホンは屋内で腰を据えてつかうイヤホンです。
(追加投資すれば、外でも使えなくはないですが…)
理由①
- 付属ケーブルはタッチノイズがひどい
でもリケーブルしたり、耳掛け運用すればこの問題は解決します。
ですが次が問題
理由②
- 音漏れの発生と性能発揮のために馬力がある機器が必要
音漏れは音量を絞れば回避可能ですが、再生機器の課題が立ちはだかる。
zx100やzx2といったそれなりの性能があるウォークマンでも正直力不足です。
(もしかしたらzx707のバランス出力やアナログアンプを備えたDAPだと問題ないかも…..)
追記:KannAlphaのアンバランス接続でも力不足でした…..
批判的なレビューが起きる要因にはスマホに直刺ししたり、入門向けの音楽プレイヤーという使用環境が原因だと考えられます。
これだと音場が狭く、籠って聞こえるという事態になります。
据え置きヘッドホンアンプを使うと、まるで別物かのように変貌します。
EF400だと音の傾向の相性もよくて馬力もあるので、鳴らし切ってくれます。
まとめ
コンパクトでおしゃれな見た目から外出先での利用や、ギリギリ手が届きやすい価格でオーディオのライト層が興味を持つと考えられるイヤホン。
ですが使ってみるとDAPの要求スペックが高かったり、タッチノイズがひどいケーブルや音漏れがするといった実情が見えてきます。
屋内での使用を目的として、接続するオーディオ機器の性能を考慮した上で購入すると後悔がないのかなと思います。
それが厳しいという方には下位モデルで評価が高いE4000を選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。
それなりの環境が整っている方にとっては問題なくおすすめできる一台です。
final E5000 カナル型イヤホン MMCX端子 リケーブル対応 ファイナル